新型コロナウイルスの影響と債務整理について(1)

新型コロナウイルスの影響により収入が減少し,または退職せざるを得なくなったため,カードローンやクレジットカードの支払いが厳しくなったという相談が増えています。

そこで,今回は,上記のような状況の方がどのような債務整理の方法を選択すればよいのかについてご説明します。

⑴ 新型コロナウイルスの影響で収入が減少したものの,数ヶ月程度ですぐに回復することが見込まれるケース

このようなケースでは,まずクレジットカード会社等に連絡し,事情を説明して返済額の減額または猶予の申し出を行ってみてください。

クレジットカード会社等も,相当数のクレジット契約者に新型コロナウイルスの影響による収入減少が発生していることを認識していますので,数ヶ月程度であれば,返済猶予等に応じてくれる場合があります。返済猶予に応じてくれた場合は,基本的に信用情報に傷がつくこともありません。

クレジットカードカード会社等が返済猶予等に応じてくれない場合は,一度弁護士にご相談ください。

⑵ 新型コロナウイルスの影響で収入が減少し,その状態が比較的長期間継続すると見込まれるケース

このようなケースでは,減少後の収入を前提として収支状況を検討し,返済に充てられる金額を算出し,弁護士に相談してください。

返済に充てられる金額が任意整理を行うことにより想定される返済金額よりも多い場合は,任意整理を選択します。任意整理であれば,例えば自動車ローンがあったとしても,それを除外して行うことができますので,自動車を残すことができます。ただし,自動車ローンも任意整理を行わなければ返済が難しいという場合は,自動車ローンも任意整理を行うことになります。

返済に充てられる金額が任意整理を行うことにより想定される返済金額よりも少ない場合は,自己破産または個人再生を検討することになります。自己破産または個人再生を行った場合は,自動車ローンも対象となりますので,原則として自動車は引き揚げられることになります。

次回に続きます。