弁護士法人心柏駅法律事務所の弁護士の白方です。
当事務所では債務整理・過払金請求のご相談を多数お受けしておりますが,今回は任意整理と個人再生のご相談の際に事前に準備していただきたい点を2点ご説明したいと思います。
(1)任意整理のご相談の際に事前に準備していただきたい点
任意整理は,各業者と個別に交渉し,返済総額と返済方法を取り決める債務整理方法です。毎月の返済がきつくなったが,毎月の返済額を減らせば負債全部を返済できる見込みがある場合に使われる手続きです。
返済を継続することが前提ですので,任意整理のご相談の際には,家計表を作成することにより毎月返済にあてられる金額を算出することが重要となります。
家計表を作成する際は,収入に変動がある方の場合は(例えば月々の手取りに占める歩合給や残業代の割合が大きい方など),収入を低めに見積もるとよいでしょう。債務整理のご相談でときどきあるケースに,会社内での異動にともない残業が減少し,残業代が入らなくなったために返済が厳しくなった,というものがあります。
また,近いうちに多額の出費が見込まれている場合は(例えば子どもの大学進学など),その際の出費も考慮して毎月の返済可能額を算出する必要があります。
任意整理のご相談では,ご相談者のみなさまに算出いただいた返済可能額を前提として,任意整理が可能かどうか,可能であればどのような返済条件にするのかを判断しますので,できるだけ正確に毎月の返済可能額を算出していただくことが重要となります。
(2)個人再生のご相談の際に事前に準備していただきたい点
個人再生も法律の規定に従って決められた金額を返済する手続きですので,任意整理と同じように家計表を作成いただくことがまず重要となります。
次に,個人再生のご相談で多いのは住宅を残して債務整理をしたいという内容のものですが,清算価値保障原則との関係で,住宅の査定額から住宅ローンの残額を控除した金額がプラスになる場合(これをアンダーローンといいます),その金額を財産として計上する必要があります。
住宅を購入してから長期間経過している場合や,購入の際に多額の頭金を支払っている場合は,アンダーローンになっているケースがありますので,相談の前に不動産業者の査定書(無料で作成してくれます)を準備いただくとご相談がスムーズに進みます。
弁護士法人心柏駅法律事務所では,債務整理のご相談も多数受けておりますので,お気軽にご相談いただければと思います。