久しぶりの高熱

先日、夕方頃から体調に異変を感じ、寝ている最中に体の節々が強烈に痛くなり、朝起きたときは体温が39度を超えていましたので、これは今流行っているインフルエンザだろうと思い、病院に行って検査を受けました。

私は、記憶にある限り、コロナ禍になって以降、体温が38度を超えるような風邪を引いた記憶がなく、おそらく、6年以上は高熱を伴う風邪は引いていなかったはずです。

過去に38度を超える熱を出して病院に行ったことは何度かあり、その度にインフルエンザの検査を受けていましたが、陽性になったことは一度もありませんでした。

そのため、私もついにインフルエンザを発症してしまったか、私もここ2年ほどで体重が12キロほど減って体力も落ちているのでしょうがないか、と思いながら病院に行って検査を受けたわけですが、結果は、インフルエンザは陰性で、COVID-19が陽性でした。

咳も出ておらず、喉も痛くなく、味覚も問題なかったので、コロナは全く想定していませんでしたが、病院に行った翌日には喉が強烈に痛くなり酷い倦怠感が発生し、発症の約5日後、体温が平熱まで下がったと同時に嗅覚と味覚に障害が発生しました。朝、朝食の準備をしようとブルーベリージャムの瓶を開けたところ、匂いが全くしなかったのです。

なお、解熱鎮痛剤は喉の激痛には全くと言っていいほど効きません。市販の漢方薬(桔梗湯)を服用し、またヴィックストローチをなめていたら、喉の激痛が発症してから4日程度で治りました。

今回のコロナにより1週間ほど弁護士業務ができない状態となりましたが、ちょうど年末になりましたので、1週間しっかり休んで、年明けからは完全復帰できるようにしたいと思っております。

年齢には・・・

私が弁護士業務を始めたのは私がまだ30代の頃で、最初から自分の事務所を開設し、私一人で業務を行っていました。

つまり、裁判所への出廷、準備書面の作成、警察署での接見など弁護士としての中心的業務のほか、相続案件における戸籍の取得、過払金返還請求事件における引き直し計算、債務整理の受任通知の作成、費用の精算と振り込み、郵便の差し出しなど、一般の法律事務所では事務職員が行っている業務もすべて私が行っていました(なお、過払金の引き直し計算は家族に手伝ってもらったこともあります)。破産管財人の業務における配当手続きも私一人で行っていました(債権者数が少なければそれほど手間にはなりませんが、10社を超える案件もありそのときは大変でした)。

日中は裁判所への出廷や書面作成、事務作業をこなしつつ、夜は被疑者国選の接見に行くという毎日でした。当時は千葉地方裁判所松戸支部管内(柏市)で業務をしており、接見に行くのは松戸警察、松戸東警察、柏警察、鎌ケ谷警察、我孫子警察、流山警察でしたが、業務で車を使うことはないですので、電車やバスを使って(タクシーを使うことはありませんでした)警察署まで行っていました。なお業務で車を使わないのは、車の運転が下手だからです。

このようなことができたのは、やはり私が30代で、気力、体力が充実していたからだと思います。

私は少々完璧主義的なところがあり、心配事の9割は起こらないと言われても年中心配ばかりしていますが、そろそろ物事の見方、考え方を変えないといけないなと思っています。その一環として、以前、所有していた大量の書籍(数百冊)をブックオフで売却処分し(残りの人生を考えるとほとんど読めないので)、本を買い込む癖は少し治まってきてはいるのですが、年末に近づいていますので、どの本を買っておこうか、とまた考えるようになってしまっています。

ご相談対応の時間について

私は現在、千葉事務所と船橋事務所の債務整理を担当しています。債務整理の場合、日弁連の規定により、受任するにあたって弁護士による直接面談が義務付けられていますので、債務整理を依頼いただく際は、事務所にお越しいただいて面談(法律相談)を行う必要がございます。

ただ、平日お仕事の方は、平日夜にお越しいただいてご相談ということになるのが通常ですが、現在、私の体調の問題により業務は原則18時で終了しているため、ご相談の最終スタート時間は16時(自己破産、個人再生の場合)または16時30分(任意整理の場合)とさせていただいております(なお、時効援用のご相談の場合は17時スタートで可能です)。

そこで、平日は夜しかお越しになれない方につきましては、土日祝の日中にお越しいただいて相談を行っております。土日祝に相談を行いますと、週7日勤務になることも多いのですが、現時点では対応できています。

もちろん、私も、もしサラリーマンだったとしたら管理職になっているかそうでなければ窓際族になっているという年齢ですので、このような対応をいつまでも続けられるとは思っておりません。年齢的に、体調が回復することはまずないのではないかとも思っておりますので、そうなりますと、そろそろ弁護士業務の第一線から退く時期を設定しておかないといけないのかもしれません。

第一線から退くということになりますと、今後の株式相場が気になるところですが、ゴールドマン・サックスは、S&P500への投資は今後10年間、年平均で3%のリターンに留まると予測しているそうです。

この3%というのはドル建てですので、日本円に換算する場合は為替の影響を受けますが、リスク資産のリターンとしては低いですね。

しばらくは、FOLIOのROBOPROなどに投資して、様子を見ることになりそうです。ちなみに、わたしはROBOPROにいくらか投資していて、ROBOPROはそれをいくつかの資産に分散投資していますが、本日時点で最も含み益の割合が大きいのは金(GLD)です。

相続放棄か時効援用か

被相続人に負債があるものの、長期間返済が行われていなかった場合、消滅時効期間が経過している可能性があります。

消滅時効の効果は、債務者が時効の援用を行うことで確定しますが、この消滅時効の援用権も被相続人の財産に属した権利義務になりますので、相続人は、相続により承継した時効援用権を行使して消滅時効の効果を確定させることができます。これにより、相続人は、時効の援用を行った負債について支払義務を免れることになります。

他方、相続人は、相続放棄を行うことによって負債を相続することを免れることも可能です。債権者が異なる負債が複数ある場合、(いずれも消滅時効期間が経過していることを前提として)消滅時効の援用は負債毎に消滅時効援用通知書を作成して(通常は内容証明郵便で)行わなければなりませんが、相続放棄の場合は、家庭裁判所に相続放棄の申述書を提出し、裁判所から交付される相続放棄申述受理通知書のコピーを各債権者に送付して完了となります。

相続放棄を行った場合、相続人ではなかったとみなされることになりますので、マイナスの財産である負債のみならず、預貯金などプラスの財産についても承継しないことになります。

他方、消滅時効の援用は相続の承認を前提としますので、預貯金などプラスの財産も承継しますが、消滅時効期間が経過していない負債があった場合はそれも承継することになります。

相続放棄をするか、消滅時効の援用で解決するかは、被相続人の財産状況を考慮して検討することになります(なお、限定承認を選択した場合は相続財産の限度で負債を返済すればよいことになりますが、限定承認は相続人全員で行う必要があります。そのため、案件数は極めて少なく、限定承認を取り扱ったことのある弁護士も少ないでしょう。私は、過去に1件だけ扱ったことがあります)。

任意整理のご相談

こんにちは!中年ですがかわいい系弁護士と思い込んでいる白方です!

さて、わたしは主に債務整理の分野を扱っていて、裁判所から破産管財人の依頼を受けることもありますが、自己破産・個人再生と、任意整理の最も大きな違いは何だと思いますか?

もちろん、専門家によって考え方に違いはあると思いますが、わたしが考える最も大きな違いは、自己破産・個人再生はその手続きについて法律で定められており(破産法と民事再生法です)、裁判所で行われる民事手続きですが、任意整理は、その手続きについて定める法律はなく、弁護士が金融業者と個別に行う民事交渉手続きであるという点です。

自己破産や個人再生は、法律で手続の内容やその結果が定められていて、また多数の裁判例がありますので、これらの手続きを行った場合の結果は比較的容易に推測できます。

他方、任意整理は、法律の規定はなく、業者側に任意整理に応じる義務もないですので、分割弁済の合意ができるとしても、その条件は業者によって区々になります。

また、同一業者でも、業者内の取り決めにより特定の日を境に一般的な任意整理の条件を厳しくすることがあり、任意整理を受任した際に想定していた和解内容より、実際の和解内容が厳しくなってしまったこともあります。

このように、任意整理は結果の予測が比較的難しい手続きであるということは認識しておいてください。

消滅時効のご相談

今月は時効援用のご相談を比較的多く受けました。時効援用の相談に来られる方の相談申込みのきっかけの多くは、①クレジットカード等を申し込んだところ審査に落ちたため、信用情報を取り寄せたところ、返済をストップして放置していた昔の借り入れが延滞として登録されていた、というようなパターンか、②業者(債権者と言います)から昔の借り入れについて請求書等が届いた、というようなパターンです。今月は、②のパターンが多かったです。

②の場合、請求書を送ってくる業者は元々の借り入れを行った業者(例えばアイフルなど)の場合もありますし、それらの業者から貸付金債権等を譲り受けた債権回収会社の場合もあります。

②の場合に注意していただきたいのは、突然届いた請求等に驚いてその書類に記載されている番号にすぐに電話し、分割払いの相談などは絶対にしない、ということです。消滅時効は、時効期間が経過していたとしても、債務(負債)の存在を承認してしまうと(分割払いの相談も債務の存在を承認していることが前提の行為です)、時効期間がリセットされてしまい、債務を承認した時からあらためて民法(または商法)所定の時効期間が経過しないと時効の主張(これを時効の援用と言います)ができないことになってしまいます。

返済をストップしてから長期間経過している債務について請求書等が届いた場合は、焦らずにまず弁護士に相談してください。

不動産価格の上昇

1 不動産価格、とくに中古マンション価格の上昇は、私が担当する債務整理、広くは借金問題にも影響を与えています。

まず、マンションを購入し住宅ローンが残っていて、かつカードローンやクレジットカードの負債も膨らんでいる場合、中古マンション価格の上昇の影響でマンションがアンダーローンとなっていれば、マンションを売却して住宅ローンを完済し、売却代金の残額でカードローン等の負債を返済すれば、場合によっては債務整理を行わずに借金を整理することも可能になりました。債務整理を行わなければ、信用情報に事故情報が登録されることもないため、経済的信用も損なわれません。

他方、住宅資金特別条項を利用する個人再生手続では、中古マンション価格の上昇によりアンダーローンとなると清算価値が増額することになりますが、その増額により、清算価値の総額が住宅ローン以外の負債の総額に近い、または負債の総額を超えてしまうと、個人再生手続を行っても負債はほとんど、または全く圧縮されないということになり、解決が困難になります。個人再生が困難で、任意整理での解決も難しいということになると、自宅の中古マンションは売却を避けられないことになります。

2 離婚の財産分与の場面においても、中古マンション価格の上昇は影響を与えています。

住宅ローンの残っているマンション(婚姻後に購入したもの)も財産分与の対象となりますが、オーバーローンの場合は評価額0円となり、分与する金額はないということになります。

しかし、マンションの評価額が例えば住宅ローンの残額を500万円上回っている場合、マンションを所有する配偶者は、原則としてその2分の1である250万円を財産分与として他方配偶者に支払う必要がありますが、その支払いが困難であれば、最終的にはマンションを売却してその代金の残額の2分の1を支払うということになります。 このように、近時のマンション価格の上昇は弁護士の業務分野である債務整理や離婚の財産分与にも影響を与えています。

過払金返還請求のご相談について

今回は、弁護士として過払金返還請求のご相談に対応する中で、よくある誤解について少しご説明しようと思います。

1 過払金が発生するケースの基本は、貸金業法(旧貸金業規制法)が適用される業者から、利息制限法の上限金利を超える貸付利率で借り入れを行い返済していた、ということになります。なお、極度額の範囲で借り入れと返済(リボ払い)を繰り返す継続的金銭消費貸借取引で、取引開始当初は利息制限法の上限金利を超えていたものの、途中から上限金利以下になったという場合でも、過払金が生じる可能性があります。

貸金業法は、かつて、みなし弁済という制度を設けていて、みなし弁済の条件を満たしていれば、利息制限法の上限利率を超える利率による利息の受領も適法になるとされていました。

しかし、このみなし弁済の適用条件を満たしていないとして裁判所で訴訟が展開され、最高裁判決によりみなし弁済はほぼ認められないということになったため、利息制限法の上限利率を超える部分の利息の受領が無効となり、過払金として返還を請求する対象となったわけです。

2 貸金業法が適用されるのは、消費者金融会社やクレジットカード会社になりますので、貸金業法が適用されない金融機関、例えば銀行や信用金庫からの借り入れについては、過払金が発生することはありません(貸金業法が適用されない以上、貸金業法が定めていたみなし弁済制度も適用されないからです)。

また、貸金業法の適用対象となる業者(とくにクレジットカード会社)に対する負債でも、過払金が発生するのは借入金(キャッシング、ローン)となりますので、立替金(ショッピング、車のローンなど)について過払金が発生することはありません(貸金業法はその名のとおり金銭の貸付について適用される法律です)。

さらに、法改正によりみなし弁済は2010年6月18日に廃止されましたが、多くの消費者金融会社およびクレジットカード会社は、2007年頃までに新規契約者の貸付利率を利息制限法の上限金利以下に引き下げていますので、それ以降に新規契約を締結して借り入れを開始しても、過払金が発生することはありません(なお、元々利息制限法の上限金利内で貸し付けを行っている業者もあり、このような業者と長期間取引していても過払金が発生することはありません)。

以上をまとめますと、

① 銀行や信用金庫からの借り入れについては、過払金は発生しません。

② ショッピング債務(車のローンなどショッピングクレジットも含みます)について過払金が発生することはありません。

③ 利息制限法の上限利率以下の利率で契約をして借り入れをしている場合は、過払金は発生しません。

今回は以上となります。

船橋法律事務所の開設について

弁護士法人心は、2024年1月10日、船橋駅北口に船橋法律事務所を開設しました。事務所が入っているビルの名称は「KENEDIX船橋」で、以前は「エスペランサK」という名称でした(このブログを執筆している時点で、ビルエントランスの表示はまだ「エスペランサK」になっています)。

私は中学生の時以来船橋市に居住しており、船橋の東武百貨店にはよく行きますが(ほとんどがレストラン街での食事です)、車で行くことも多く、駐車場は、船橋東武の駐車場が閉鎖された現在では船橋北口駐車場を利用しますので、船橋法律事務所のビルの前の道路で順番待ちをしていることがよくあります。

ちなみによく行くお店はKUSHIハゲ天です。

船橋法律事務所の開設により、JR線沿線にお住まいの方のほか、京成線および東武アーバンパークラインの沿線にお住まいの方も来所いただきやすくなったかと思います。

私は千葉法律事務所に所属しておりますが、債務整理(任意整理、個人再生、自己破産、時効援用手続)、過払金返還請求および離婚のご相談については、船橋法律事務所においても担当します。

船橋駅の西武百貨店跡地にはタワーマンションが建設される予定で、津田沼駅南口でもタワーマンションが建設されます。また、津田沼駅北口のパルコ跡地(A館の方です)にもマンションが建設される予定です。

なお、千葉法律事務所がある千葉駅でも、三越跡地でタワーマンションが建設されています。

この三越跡地に建設中のタワーマンション(ブリリアタワー千葉)ですが、坪単価が高くなっており(高くなっているものの、一般住戸の仕様はより価格が安いエクセレントザタワーやプレミスト千葉公園など間もなく完成ないし直近に完成しているマンションの方が良いようです)、購入を断念した方も多いようです。ちなみに蘇我駅前で建設中のマンションも坪単価が高くなっているようで、私も、蘇我駅前でその値段では買えないなと感じています。詳しくは、各マンションについてウェブ上に掲示板がありますので、ご覧ください。

新築マンション価格が高くなっているのは建設費の高騰によるものですが、このまま高騰した状態が続いた場合、船橋駅や津田沼駅で建設予定のマンションの価格はいくらになるのでしょうか。

価格を下げるために今の新築マンションは面積を狭くしていますが(コンパクトマンションの建設も増えています)、より面積の狭い居室のマンションが建設されるのでしょうか。

なお、私は狭いところが好きなので、狭いマンションで全く問題ありません。

個人再生のご相談にあたって

1 債務整理の相談の傾向

債務整理のご相談は、返済期限が迫ってきたけど返済に充てるための原資を確保できない、という方から多く受けますので、必然的に、弁護士等にすぐに相談したいという方も多くなります。

ただ、一般的に、法律相談をお受けするにあたっては、必要書類等のご準備をお願いすることも多く、これは、債務整理でも同様です。

とくに、個人再生では、住宅資金特別条項を利用できるかどうかという点や、最低弁済額がどの程度になるのかということをご相談の中で判断する必要があり、そのためには、ご相談者の方に必要な資料を持参していただく必要があります。

2 住宅資金特別条項についての資料

住宅資金特別上告(住宅ローン特則)を利用する個人再生の場合、借り入れた住宅ローンが住宅資金貸付債権に該当するかどうかを判断しなければなりません。

そのためには、住宅ローンについての金銭消費貸借契約書など住宅ローンに関する書類を確認する必要があります。

借り入れた住宅ローンの使途について、「住宅購入資金」の他に、例えば「返済」にもチェックがある場合は(自宅を買い換えた場合、新たな自宅を購入する借り入れた住宅ローンの一部が、前の自宅を購入した際に借り入れた住宅ローンの残額の返済に充てられていることがあります)、借り入れた住宅ローンが全体として住宅資金貸付債権に該当するかどうかを慎重に検討しなければなりません。

3 最低弁済額についての資料

最低弁済額について判断するためには、小規模個人再生の場合、①負債の総額と、②財産の総額を確認する必要があります。

①の負債の総額については、最近ではスマホ等ですぐに確認できることが多く、資料の準備にそれほど手間はかからないと思いますが、②の財産の総額については、退職金見込額(現時点で自己都合退職した場合に支払われる見込みの退職金の金額)に関する資料、加入している保険についての解約返戻金の金額についての資料、車や自宅について時価額がわかる資料(査定書)などが必要になることがありますので、資料の準備には少々時間がかかることもございます。

例えば、住宅資金特別条項を利用する手続きを利用する予定で、住宅ローンが2000万円、住宅ローン以外の負債が900万円の場合、自宅の査定額が3000万円だったとすると、自宅の価値は1000万円となりますので、個人再生手続きを行ったとしても、返済しなければならない負債は減額されないことになります。

個人再生のご相談を希望される方は、このような財産についての資料の収集にすぐに着手されるとよいかと思います。

破産のご相談の際に注意していただきたいこと

個人の破産手続では、同時廃止で進めることが可能なのか、それとも管財事件になるのか、という点が一つのポイントとなります。

なぜなら、管財事件となると、管財人への引継予納金が必要となりますし、同時廃止事件と比べて弁護士費用も割高になるためです。

同時廃止で進めることが可能かまたは管財事件になるのかを区別する大きな基準は、財産の有無です。

例えば、現時点で自己都合退職した場合の退職金見込額が160万円を超える場合、その8分の1の金額は20万円を超えることになりますので、千葉地方裁判所およびその支部では管財事件として扱われることになります。

そのため、ご相談の際には、事前に退職金見込額の金額を確認していただくことが重要になります。

また、自動車を所有し、その時価額が20万円を超えている場合も管財事件となります。そして、千葉地方裁判所およびその支部では、私がこれまでに担当した案件を前提としますと、例えば初度登録から何年経過していれば価値がないものとみなす、というような取り扱いはしていないようですので、とくに中古価格が下がりにくいタイプの車両については、ご相談前に中古車販売店等の査定金額を確認していただく必要があります。

さらに、保険についても、解約返戻金見込額が20万円を超える場合は管財事件となります。保険についてとくに注意していただきたい点は、破産のご相談をするご本人ではなく、そのご両親や配偶者がご本人を契約者として保険に加入し、その保険料も支払っている場合、保険の存在そのものを知らないこともあります。

このような保険であっても、解約返戻金見込額が20万円を超えていれば、管財事件として取り扱われることになります(なお、複数の保険の解約返戻金見込額の合計金額が20万円を超える場合は、同様に管財事件となります)。

なお、親が勝手に契約名義を自分にして保険を契約し、その保険料も親が支払っており、自分はその保険の存在すら知らなかったのであるから、その保険は親のものではないか、と考える方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、保険がだれのものであるかを認定するためには調査が必要であり、その調査を行うのは破産管財人ですので、管財事件となるのは避けられないところです。

破産のご相談の際は、保険についてもあらかじめ確認してください。

遠近両用レンズ

日常生活の中には、ジェンダーにまつわる無意識の刷り込みが多々存在します。皆さんも、「男だから」「女だから」「男らしく」「女らしく」というようなことを一度は言われたことがあるのではないでしょうか。弁護士の中には、ジェンダー平等について啓発活動などをしている方も多くいらっしゃいます。

私も、「男らしく」「女らしく」という発言には強い違和感、嫌悪感を抱いています。例えば衣服について、レディースものにはかわいいものも多く、私は、気に入ったものは購入して着用しています。もちろん、店舗では購入しづらいですので(店舗で購入しづらく感じるのもジェンダーバイアスの影響ですね)、ユニクロのオンラインで購入しています。

ユニクロはサイズもしっかり表記されていて、メンズのサイズとの比較も容易です。また、ユニクロの男性従業員の方がレディースものを着用した画像も多数掲載されていますので、自分が着用した場合にどのように見えるのかについてのイメージが掴みやすいです。なお、レディースものを着用して外出するときは、女性用の化粧品を使ってごく簡単なメイクを楽しむこともあります。

今年の春、それまで5年ほどかけていたレイバンのメガネがだいぶ古くなってきたので、買い換えることにしました。メンズのメガネはあまり好きではないのですが、かといって私は小顔ではなくレディースのメガネではフレームが小さいですので、ユニセックスのメガネを購入することにしました。普通のメンズのメガネよりもとくにレンズの上下幅は大きくなっています。

店員さんに「このメガネをお願いします」と伝え、視力検査などを一通り受けた後、店員さんから、「レンズは遠近両用にしたらどうですか」と言われました。ああ、私はもう遠近両用のレンズにする年齢(老眼)なのね。ユニセックスのメガネはレンズの上下幅が大きいから遠近両用のレンズに向いているのね。この日は不覚にも自分の年齢を意識させられることになり、一日しょげもんでした。

性のあり方はグラデーションであり、「男性」「女性」と明確に区別できるものではありません。ご自身の性に少しでも違和感をお持ちの方は、例えば男性(身体的性)であればМtFの方のウェブサイトを閲覧してみるのもよいのではないかと思います。

R.I.Pあっちゃん(1966/3/7-2023/10/19)素敵な歌声でした。ありがとう

BUCK-TICK / 「スピード」ミュージックビデオ – YouTube

予測式体温計でも実測しましょう

今年6月に始まった私の体調不良ですが、発熱はまだ継続していまして、この記事を執筆する直前に測定しましたところ、37.6℃という結果でした。測定したのは昼過ぎですので、一日の中では体温の高い時間帯になると思いますが、朝晩測定しても37.3℃にはなりますので、今ではこれが平熱なのではないかとも思っています(それまでは、37.0℃程度が平熱だと思っていました)。弁護士業務への影響は6月7月と比べてやや限定的となりましたが、このまま継続できるのかどうか、懸念は残ったままです。

なお、体温計はオムロンとテルモの予測式のものを使っていますが、オムロンもテルモも予測値は誤差が大きいため、いつも10分間の実測を行っています。先ほどの測定は予測値も実測値も37.6℃でしたが、例えば予測値で38.0℃と出ても、そのまま測定を継続し実測すると37.5℃になったということも珍しくはありません。また、予測値で37.3℃と出ても、実測すると37.5℃に上がったということも複数回あります。

ウェブで色々調べますと、体温が高い人は免疫力が高いという記事が複数出てきます。たしかに、新型コロナが流行して以降、私は新型コロナに特徴的な症状(のどの痛みなど)が出たことはありません。なお6月からの体調不良は、当初は胸の痛みや息苦しさがありましたので、肺炎か気管支炎かなと思って病院に行きましたが、病院での検査ではコロナやインフルの感染はなく、胸部等も全く異常はありませんでした。

他方、これもウェブで調べて出てきたのですが、普段から体温が高いと、活性酸素の産出が多くなるみたいで(具体的なことはよくわかりませんのでウェブで調べてください)、寿命は短くなるそうです。私は、発熱は続いていますが、前回の記事でも書きましたようにプールには行っていまして、適度な運動であれば活性酸素を減らすことができますが、激しい運動だと活性酸素を増やしてしまいますので、私の水泳はさらに寿命を縮めてしまっているかもしれません。しかし、プールで泳ぐのは快適で楽しいですので、私は全く気にしていません。

ただ、泳いでいる人が多いと、同じコースで泳いでいる他の方に気を遣って泳がなければならず、ストレスになりますので、バランスのとり方も大事になります。私が行っているプールはスポーツクラブですが、涼しくなってきてプールを利用する方も増えてきたような印象ですので(暑すぎるとスポーツクラブにまで出てこないのだと思います)、ランニングも取り入れようかと考えているところであります(水泳だと下半身があまり鍛えられないため、下半身を鍛えるためにはランニングなどが必要になります)。

暑い日が続いてますね

このブログを執筆しているのは2023年8月30日ですが、本当に暑い日が続いていますね。千葉のこの先1週間の予報でも、最高気温が30℃を超えない日は見当たりません。弁護士業務では裁判所などに行く機会が多いですので、車があるととても便利ですが、私は、一人で車を運転するのは危険なので、使っていません。昨日も、京成佐倉から佐倉の裁判所までがんばって歩きました。

夜も暑くてエアコンを付けていないとぐっすり眠れませんが、付けたまま寝ると夜中に体が冷えて急に震えだし、しばらく布団に包まって震えているので、空調の調整も大変です。昨日の夜も夜中に震えだし、急いでエアコンを止めて布団に包まりしばらくの間ブルブル震えていました。

夜中の気温が25℃程度以下になれば、窓を開けて寝ると涼しいですので、せめて最低気温だけでも25℃以下になってほしいところです。

ただ、私は夜中2回ほどトイレに行くため(歳ですね・・・)、涼しくなっても良い睡眠はなかなか取れないでしょう。

外気温が30℃を超えていると私にとってはいいこともあります。私は、運動は全くできませんが、水泳だけは、小学校1年生くらいのときに渋谷にあった阪急スポーツクラブに行かされていたので、クロール、平泳ぎ、背泳ぎ、バタフライすべてなぜか泳げます(ただ、慢性的な腰痛なので、現在は、クロール以外はあまり泳ぎません)。水泳を習っていたころのことはほとんど覚えていないのですが、水着の紐が切れて泳いでいる途中で脱げてしまったことはよく覚えています笑

水泳をすると、どうしても髪の毛が濡れてしまい、濡れた髪をはじめて見せた夜♪になってしまいます(工藤静香の「恋一夜」の歌詞ですよ。私の好きな曲の一つです)。もちろんドライヤーで乾かしますが、毛量が多く長めですのでなかなか乾きません。でも、外気温が30℃以上あれば、外を歩くとすぐに乾いてしまいます(もちろん、日傘はさして紫外線対策はしていますよ)。

今朝のテレビ朝日のモーニングショーで真夏でも30℃を超えない長野県の避暑地についての特集をしていて、移住している方もいるそうですが、私は、1年のうち数週間は30℃を超える場所に住んでいたいです。

もちろん、熱中症対策は大事ですよ。水泳はかなりの運動量があり発汗量も多いですが、水の中にいるためそれに気づきにくいですので、私は、スポーツクラブで水泳をする場合、500ミリリットルの経口補水液を持参し(スポーツドリンクではないですよ。経口補水液です)、泳ぐ前に半分程度飲んでいます。

インフレと弁護士費用

私は大学生のころから大戸屋の定食が大好きで、弁護士になった今でも時々食べに行っています。

注文するメニューはだいたい決まっていて、鯖の炭火焼定食か、すけそう鱈と野菜の黒酢あん定食です(以前は、すけそう鱈ではなく真鱈でした)。

鯖の炭火焼定食は、昨今のインフレで値上げされ、このブログを執筆している時点で税込み990円です。すけそう鱈と野菜の黒酢あん定食は税込みで1000円です。

しかし、ニューヨークの大戸屋で鯖の定食セットを注文する場合、その値段は30ドルになるようです。1ドル140円で日本円に換算しますと、4200円です。私は、日本国内で4200円もする定食を食べたことはありません。

物価が上がり、それにあわせて賃金も上げなければならないとなると、法律事務所の主な収入は案件について依頼者の方からいただく弁護士報酬になりますので、増える支出にあわせて報酬の金額も引き上げなければならなくなります。

日本司法支援センター(法テラス)では、収入や資産が一定金額以下の方を対象に、民事法律扶助を行っていますが、法テラスが規定する弁護士費用は全般的に低廉で、物価高に応じた値上げもすぐには行われないでしょうから、今後、法テラスの民事法律扶助を利用した案件に対応する弁護士は減少するのではないかと思われます(なお、国選弁護人の報酬も低廉ですので、国選弁護を引き受ける弁護士も減少するのではないかと思います。私は、個人的には既に民事法律扶助も国選弁護も引き受けていません)。

日本人は預金が大好きで、私も金融資産の70%超を預金で保有していますが、預金金利は雀の涙程度ですので、仮に1000万円の預金がある場合、物価が上がりインフレになれば、預金の額面に変化はありませんが、その価値は減少することになります。この1000万円が預金ではなく例えば1000万円の価値のある不動産であれば、基本的に、物価上昇に伴いその価値も上昇することになります。 日本は、異次元の金融緩和により市場に大量の円をばら撒き続けていますが、欧米は、金利の引き上げにより、金融緩和でばら撒いたユーロやドルを回収しています。このままですと、円の価値は下がり(市場のドルやユーロは減っているが、円は増え続けているからです)、超円安になることも予想されますので、今から、円の価値の下落に備えた資産を保有しておくとよいのではないかと思います。

生牡蠣

ここ1か月ほど軽度ですが体調を崩していて、身体がだるいことも多いので、もう無理はできない年齢であることを痛感する毎日ですが、今回は、弁護士業務と体調にかかわるエピソードを紹介します。

1 牡蠣ノロウイルス事件

2010年に千葉県の柏市内でワンオペ事務所を設立して弁護士業務を始めてからそれほど期間が経過していない時期だったと思いますが、所属している委員会か何かの関係で、ある日の夜、弁護士4人で松戸駅近くにある海鮮居酒屋に行きました(お店の名前は憶えていません)。

海鮮料理については、基本的にはテーブルに置かれた七輪で焼いて食べるものでしたが、誰かが生牡蠣を注文しようと言ったので、それぞれが1個ずつ注文することにしました。生牡蠣は危ないという印象が強く、私はそれまで生牡蠣を食べたことはなかったのですが、1個だけなら、と思い食べることにしました。美味しかったのかどうかは覚えていません。

その翌日は普通に業務をこなし、夜はお肉を食べた記憶がありますが、その日の夜中、強烈な吐き気がして嘔吐し、全身に色々な症状が発生しました。夜に食べたお肉でこんなにあたることはないと思いましたので、これは生牡蠣が原因だとすぐに判断できました。

当然、弁護士業務を処理できる状態ではなく、発症した翌日は刑事事件の公判がありましたが、延期してもらうことになりました。被告人の方は勾留されていましたが、執行猶予付き判決が濃厚でしたので、公判の延期により、釈放されるまでの期間を延ばしてしまったことになります。

弁護士が扱っている業務は、法律事務所に複数の弁護士が所属していたとしても、基本的にはそれぞれの弁護士が単独で責任を持って処理しますので、当該弁護士による事件処理が困難になると、案件の関係者に大なり小なり迷惑をかけてしまうことになります。幸いにもこのノロウイルスによる感染性胃腸炎は3日ほどで回復した記憶ですが、今回のように(ノロウイルスと比べてかなり)軽度ですが体調不良が続くと、今後の弁護士業務についても考えなければならないなと思っているところです。

なお、私以外の3人の弁護士も生牡蠣を食べましたが、3人とも何ともなかったそうです。

また、しばらく生牡蠣は避けていましたが、その後1回だけ、ガンボ&オイスターバーというお店で何個か食べました。生牡蠣以外の牡蠣料理も食べましたが、このお店の牡蠣は美味しく、もちろんおなかを壊すこともありませんでした。

文字数がオーバーしましたので今回はここまで。

相続放棄についての雑感1

1 第二順位の血族相続人について

法定相続人は、血族相続人と配偶者相続人から構成されます。配偶者相続人は必ず相続人になり、一夫一婦制ですので順位というものはあり得ません。

他方、血族相続人には第一順位、第二順位、第三順位まであります。第一順位の相続人がいなければ第二順位の相続人が相続し、第二順位の相続人もいなければ第三順位の相続人が相続します。

この血族相続人のうち、第二順位の相続人については専門家でも誤解していることがあり、私が過去に扱った案件でも、貸金業者の代理人弁護士が、第二順位の相続人が存在しているのに第三順位の相続人に催告書を送付していたケースがありました。

例えば、被相続人を甲とし(未婚、子なし)、甲の父をA、甲の母をBとします。甲には子はいませんので(ここでいう子には実子のほか養子も含みます)、第一順位の相続人(子)は存在しません。

そこで、第二順位(直系尊属)であるAおよびBが相続人となり、配偶者相続人はいませんので法定相続分は各2分の1になります。AまたはBのどちらかが相続放棄をした場合は、相続放棄してない方が甲を単独で相続することになります。

では、甲の父であるAの母α、および甲の母であるBの母βが生存している場合、相続関係はどうなるのでしょうか。

第二順位の直系尊属については、被相続人との親等が近い者から相続人となります。甲の両親であるAおよびBは1親等ですので、第一順位の相続人が存在しない場合は、AおよびBが相続人となります。αおよびβは、甲の直系尊属ですが、2親等ですので、相続人にはなりません。

しかし、AもBも相続放棄をした場合は、1親等の直系尊属が存在しなくなりますので、2親等の直系尊属であるαとβが相続人となり、法定相続分は各2分の1となります。

この点は、専門家でも誤解している場合がありますが、AとBが相続放棄するとすぐに第三順位の甲の兄弟姉妹が相続人となるわけではないですので、注意が必要です。

αもβも相続放棄を行えば、第二順位の相続人は不存在となりますので、第三順位の兄弟姉妹が相続人となります。

AI

1 この記事を執筆しているのは2023年4月28日ですが、今日は第81期名人戦第二局2日目の対局が行われており、渡辺明名人に藤井聡太竜王が挑戦しています。この記事を執筆している時点では渡辺明名人がやや優勢になっているようです。

第一局は挑戦者藤井聡太竜王が勝利していますが、5日前の4月23日に行われた叡王戦第二局では藤井聡太叡王は菅井竜也8段に敗れています。ややスランプに陥っているのでしょうか。

さて、将棋界はAIの登場によって様相がガラリと変わり、藤井聡太竜王もAMD製の高性能CPUを搭載したパソコンを使用して研究を重ねています。AMDから高性能CPUが搭載されたパソコンの提供を受けたので、古いパソコンは師匠の杉本昌隆八段に譲ったそうです。

先日テレビ番組を見ていたら、かつては隆盛だった戦法も、AIにより勝率が低いことが判明すると、廃れていったという話が出ていました。

このAIは、これまでに行われた対決の棋譜をパソコンに入力し、それをAIが解析することで、現在行われている対局の次の最善手を示してくれます。日曜日に放送されている将棋のNHK杯でも、対局の途中からAIによる最善手が表示されています。

となると、結局のところ人間はAIに将棋で勝つことはできず、今後の将棋は、人間同士が対決することによるドラマを楽しむということになるのでしょうか。

2 法律相談においても、ある法律相談サイトにおいて、投稿された相談内容とそれに対する弁護士の回答をAIが分析し、AIが法律相談を行うような方向で開発が進められているようです。

ネットの発達により、法律問題についての解決法もネット上で容易に探せるようになり、それに伴い弁護士が行う法律相談の価値は相対的に下がってきましたが、AIが法律相談を行えるようになると、その価値はさらに下がってしまうことになります。 私は、民間会社では管理職になっているような年齢ですのであとは枯れていくだけですが、これから弁護士として活躍する若い方は、より高度な知識と技術を要求されることになるのではないかと思います。

雑感

弁護士の業務は、現在はその対象も広がってはいますが、典型的には、紛争事案について法律を適用し、解決に導くというものです。その解決の方法として、紛争の相手方との交渉や、裁判所での調停、裁判があります。

この法律ですが、その条文は抽象的なことも多いですので、実際の紛争に適用するにあたっては、最高裁判所の判例や高等裁判所等下級審の裁判例を参考にしなければならないことも多くあります。

また、法律そのものについて大きな改正がなされた場合は、改正法についての知識をしっかり身に付ける必要があります。

さらに、司法試験合格者数の増加により弁護士数もかなり増えましたが、それにより生じたのは、弁護士が扱う各分野についての専門分化です。現在では、刑事事件専門事務所、離婚事件専門事務所、相続事件専門事務所、交通事故専門事務所など、専門事務所は珍しくなくなりました。

専門分化により、各分野についての知識、処理方法などが深化し、複数の分野を広く浅く扱うということが難しくなってきました。

もちろん、弁護士としての一般的な能力を身に付け、底力を養うためには、多種多様な案件を扱うことで様々な知見を習得する必要がありますが、そうなると、各分野の深化に追いつけないということにもなりかねません。

このように、弁護士は常に知識や情報をアップデートし、取り扱っている分野の深化に追いついていかなければなりませんが、年齢を重ねると物忘れも激しくなり、勉強を継続するための体力も衰えますので、知識のブラッシュアップがなかなか困難になります。

私も既にアラフィフで体力も衰えてきていますが、私は視力がかなり悪く、かつ左右の目の視力が異なるため、慢性的な眼精疲労で、書籍や雑誌に目を通すことができる時間も限られています。

最近、講談社現代新書で河村小百合さんの「日本銀行 我が国に迫る危機」が出版されましたので、購入し読んでいますが、他にも読みたい本は多く、読みたい本ばかり読んでいると、法律関係の本に目を通す時間が減ってしまうので悩ましいところです。

債務整理を依頼いただく際の注意点について

1 債務整理の費用の分割払い

債務整理(自己破産、個人再生、任意整理)のご相談を申し込む方の多くは、ご相談の時点では流動資産(預貯金等)がほとんどありません。そのため、多くの法律事務所は、債務整理の弁護士費用(着手金、実費など)は分割払い可能としています。

一般の民事事件や刑事事件の場合は、着手金や実費は契約時に一括でお支払いいただくことがほとんどですので(分割払いを希望される場合は基本的に依頼をお断りすることになります)、債務整理の費用の分割払いの取り扱いは例外となります。

ただし、分割払いの場合でも、自己破産や個人再生の申立てや、任意整理の交渉は、原則として、分割払いによる費用の積み立てが完了してから行うことになります(費用の積み立てが完了するまでは、弁護士は主に債権者対応を行います)。分割払いでも依頼すればすぐに申立てに着手してもらえると誤解されている方が時々いらっしゃいますので、ご注意ください(なお弁護士に債務整理を依頼した段階で、対象業者への返済はストップしていただくことになります。この点についても、依頼後も返済継続が必要だと誤解されている方がいらっしゃいますのでご注意ください)。

また、事案の内容によっては(直ちに破産申立てが必要なケースなど)、分割払いではお受けできないこともあります。

2 督促が止まる

法律事務所のウェブサイトでは、弁護士に債務整理を委任すると督促が止まる旨が記載されています。

これは、消費者金融会社や債権回収会社、信販会社は、弁護士から債務整理の受任通知を受け取った場合、債務者の方への直接の督促が法律により禁止されるためです。

銀行については、このような直接の督促等を禁止する規定はないため、弁護士が債務整理の受任通知を送付した後も銀行から債務者ご本人宛に直接郵便が届くことがたまにありますが、弁護士が代理人として就任した場合は、連絡や郵便物の送付は代理人宛にしてくれるのが通常です。

しかし、知人から借金をしている場合など個人の債権者がいる場合、銀行と同様に直接の督促等を規制する法律はなく、弁護士から送付する受任通知には今後債務者本人には連絡せず弁護士宛に連絡をするよう要請する文言を記載するものの、法律的には「お願い」の域にとどまりますので、受任通知送付後も個人債権者が債務者への直接の督促を継続する場合は、電話の場合は着信拒否(郵便の場合は受け取り拒否)で対応できますが、直接自宅まで押しかけてきた場合は、状況によって警察の出動をお願いするしかないでしょう。