雑感

弁護士の業務は、現在はその対象も広がってはいますが、典型的には、紛争事案について法律を適用し、解決に導くというものです。その解決の方法として、紛争の相手方との交渉や、裁判所での調停、裁判があります。

この法律ですが、その条文は抽象的なことも多いですので、実際の紛争に適用するにあたっては、最高裁判所の判例や高等裁判所等下級審の裁判例を参考にしなければならないことも多くあります。

また、法律そのものについて大きな改正がなされた場合は、改正法についての知識をしっかり身に付ける必要があります。

さらに、司法試験合格者数の増加により弁護士数もかなり増えましたが、それにより生じたのは、弁護士が扱う各分野についての専門分化です。現在では、刑事事件専門事務所、離婚事件専門事務所、相続事件専門事務所、交通事故専門事務所など、専門事務所は珍しくなくなりました。

専門分化により、各分野についての知識、処理方法などが深化し、複数の分野を広く浅く扱うということが難しくなってきました。

もちろん、弁護士としての一般的な能力を身に付け、底力を養うためには、多種多様な案件を扱うことで様々な知見を習得する必要がありますが、そうなると、各分野の深化に追いつけないということにもなりかねません。

このように、弁護士は常に知識や情報をアップデートし、取り扱っている分野の深化に追いついていかなければなりませんが、年齢を重ねると物忘れも激しくなり、勉強を継続するための体力も衰えますので、知識のブラッシュアップがなかなか困難になります。

私も既にアラフィフで体力も衰えてきていますが、私は視力がかなり悪く、かつ左右の目の視力が異なるため、慢性的な眼精疲労で、書籍や雑誌に目を通すことができる時間も限られています。

最近、講談社現代新書で河村小百合さんの「日本銀行 我が国に迫る危機」が出版されましたので、購入し読んでいますが、他にも読みたい本は多く、読みたい本ばかり読んでいると、法律関係の本に目を通す時間が減ってしまうので悩ましいところです。