⑴ 銀行や消費者金融のウェブサイトには,返済のシミュレーションができるページを用意しているものがあります。そこで,試しに消費者金融であるSMBCコンシューマーファイナンス株式会社のウェブサイトにある返済シミュレーションを利用してシミュレーションをしてみました。
まず,借入金額を100万円,返済期間を3年間(36回払い),借入利率を利息制限法の上限利率である15%としますと,毎月の返済金額は3万4665円となりました。つまり,総返済金額は124万7940円(3万4665円×36回)となりました。
返済期間を5年間(60回払い)にすると,毎月の返済金額は2万3789円になりますが,返済総額は142万7340円(2万3789円×60回)に増えます。42万7340円が100万円の借り入れに対する利息の支払となります。
次に,借入金額を50万円,返済期間を3年間(36回払い),借入利率を利息制限法の上限利率である18%としますと,毎月の返済金額は1万8076円になります。返済総額は65万736円(1万8076円×36回)です。
返済期間を5年間(60回払い)にすると,毎月の返済金額は1万2696円となり,返済総額は76万1760円(1万2696円×60回)となります。50万円の借り入れに対し26万1760円を利息として支払うことになります。
⑵ では,50万円(借入利率18%)の借り入れが6本ある場合はどうなるでしょうか。なお便宜上,借入金額を300万円と入力してシミュレーションをします。
まず,返済期間を3年間(36回払い)とした場合は,毎月の返済金額は10万8457円になります。返済総額は390万4452円です。
返済期間を5年間(60回払い)とすると,毎月の返済金額は7万6180円となり,返済総額は457万800円となります。157万800円が合計300万円の借り入れに対する利息の支払いとなります。157万円もあれば,中古の小型車は余裕で購入できるでしょう。
⑶ 弁護士事務所に債務整理の相談に来られる方で,返済総額などをあらかじめシミュレーションして借り入れをなさっている方はほとんどいらっしゃいません。
しかし,借入を行う前にしっかりシミュレーションをしておけば,多重債務に陥る怖さもあらかじめ知ることができますので,借りたいという欲望を抑えることができるでしょう(一度契約すると,ATMで極度額まで借りれますので,預金を引き出す感覚で借り入れを行ってしまう方もいらっしゃいます)。
多重債務に陥る前に,一度,返済のシミュレーションを行ってみてください。