非招集型管財手続き

1 千葉地方裁判所の本庁では、破産管財人が選任される破産手続について、非招集型管財手続きという手続きを導入しています。なお、松戸支部や佐倉支部などの支部ではまだ導入されていないようです。

この非招集型管財手続きというのは、その名のとおり、債権者集会を行わない管財手続きです。債権者集会は平日に行われますので、非招集型管財手続きになった場合は、債権者集会に出頭するために有給休暇を取得する必要はなくなります。

なお、破産手続で配当を行う場合は、債権者集会を行う必要がありますので、配当が行われる可能性がある案件については、債権者集会が行われる手続き(これを招集型といいます)になります。個人の方の破産手続では、例えば不動産がある場合は、破産管財人がその不動産を売却することにより配当原資が形成される可能性がありますので、原則として招集型になります。

また、非招集型で開始した場合でも、配当原資が形成された場合は、債権者集会期日が指定されることになります。

2 非招集型管財手続きのメリットは、上述したとおり、債権者集会に出頭するために休み(有給休暇)を取る必要がない、という点にあります。ただし、新型コロナウイルスの蔓延により最初の緊急事態宣言が発令されてからは、債権者集会期日が設定されている場合でも、破産管財人の意見により申立人(破産者)およびその代理人弁護士の出頭が不要になるケースもかなりありますが、出頭不要かどうか決まるのは債権者集会の1週間前頃ですので、出頭の要否がわかるまで予定を入れることはできません。なお、千葉地裁の支部については、破産者およびその代理人弁護士について破産管財人の意見により債権者集会への出頭を不要とする扱いはしていないようです。

他方、非招集型管財手続きでは、官報公告の回数が増えるため、裁判所に予納する官報公告費が約5000円増加しています。

また、破産手続が終了する(破産手続廃止になる)までの期間は、債権者集会が行われる場合よりも2か月ほど長くなります。ただし、免責決定は破産手続廃止の約2か月前に出されますので、復権の時期という観点からは、招集型とそれほど変わりません。