負動産と外国人の土地所有

9月25日の信州毎日新聞デジタルに、「長野県内の相続放棄、最多3750件 老朽家屋の「負動産化」一因 21年受理」というタイトルの記事が掲載されていました。記事の内容はタイトルからも推測できるとおり、「負動産化」した不動産の相続を回避することを目的とした相続放棄が増えているため、長野県内の家庭裁判所で受理された相続放棄の件数が過去最多になった、というものです。

所有する価値のない不動産を「負動産」と呼ぶ言い方は定着しつつあると思いますが、2019年2月に朝日新書で「負動産時代 マイナス価格となる家と土地」というタイトルの本が出版されています。また、弁護士等向けの実務書を多数出版している新日本法規も、2022年4月に「令和3年改正民法対応 負動産をめぐる法律相談 実務処理マニュアル」という実務書を出版しています。

私も弁護士業務として相続放棄を扱っていますが、不動産を相続したくないということを主な理由として相続放棄を行う方は増えているような印象を受けています。

他方、9月26日、共同通信に「相続土地放棄、原則20万円 都市部宅地は面積で算定」というタイトルで次のような記事がありました。

「政府は26日、所有者不明土地問題の解消を図るため、相続した土地の所有権を手放し、国に帰属させることができる新法の詳細を定めた施行令を閣議決定した。放棄に当たっての負担金を原則1筆20万円とする。ただし、都市部の宅地や一部の農地は面積に応じて金額を算定する。

 新法は2023年4月27日に施行。一定の要件を満たす場合、相続した土地の所有権を手放すことを申請し、法相の承認を経て国に帰属させる。申請者の負担軽減のため、土地が隣接していれば2筆以上でも負担金を原則20万円とする。」

北海道では、中国人が所有する土地の面積は静岡県の面積を超えているそうです。これは、日本以外の多くの国では外国人の土地所有を禁止または厳しく制限している国が多いにも関わらず、日本では外国人が土地を所有・利用することについて何の制限もないからです(なお、2021年6月にようやく安全保障上重要な施設の周辺などの土地利用を規制する法律が成立しています)。

外国人による土地所有は日本の安全保障に直結する問題ですので、日本人は今後の展開を注視しておく必要があるでしょう。