過払金返還請求訴訟における争点

弁護士法人心 柏駅法律事務所の弁護士の白方です。

今回は,過払金返還請求訴訟で,貸金業者側と争いになる点の一つである取引の一連・分断についてご説明いたします。

なお,従前は,とくに消費者金融業者は,悪意の受益者について大量の証拠を提出し熱心に争ってきていましたが,現在では,書面上では争ってくるものの,大量の証拠を提出することはほとんどなく,特段の事情が認められることはほぼありません。

⑴ 取引の一連・分断とは,一度完済し,その後再度借り入れを開始しているケースにおいて,いったん完済するまでの取引(「取引1」とします。)と,再度の借り入れ以降の取引(「取引2」とします。)を一連のものとして計算できるかどうかという争点です。

一連で計算できる場合,取引1の完済時に発生している過払金を,取引2における借り入れに充当することができ,通常は,過払金の金額が大きくなります。

逆に,一連計算できない場合,取引1で生じている過払金と,取引2で生じている過払金を別々のものとして請求することになり,通常は,一連で計算するよりも過払金は少額になります。また,取引1の完済時から既に10年が経過していれば,取引1の過払金は時効消滅していることになります。

さらに,一連計算すれば過払になっているが,分断での計算だと債務が残る場合もあります。例えば,分断での引き直し計算(利息制限法所定の制限利率で計算することをいいます。)で,取引1は10万円の過払いになるが,取引2は30万円の債務が残る場合,相殺しても債務が残ります。

⑵ 取引の一連・分断の争点では,まず,取引1と取引2の基本契約が同じかどうかという点がポイントになります。なお,一連,分断の争点は,裁判官によっても判断の仕方が異なりますので,以下の説明は,私の理解を前提とするものであることをご了承ください。

例えば,取引1の完済時に基本契約を解約し,契約書の返還を受けている場合は,取引1と取引2の基本契約が異なりますので,分断での計算が原則となり,例外的に一連計算できる事情があるかどうかを検討することとなります。

取引1の完済時に基本契約を解約しておらず,取引2の開始時も,所持していたカードを使いATMで借り入れたというだけの場合は,原則として一連計算することとなります。

取引1の完済時に基本契約は解約していないが,取引2の開始時に基本契約の内容を変更する契約を締結している場合は,取引1と取引2の基本契約が実質的にも同じかどうか(取引2の変更契約により基本契約が実質的に変わったかどうか)を,諸事情を基に判断し,変わっていないという認定であれば原則として一連で計算し,変わっているという認定であれば例外的に一連計算できる事情があるかどうか(ただしこの事情は基本契約の同一性の認定で考慮した事情と重なる部分があります。)を検討することとなります。

次回以降に続きます。

弁護士法人心柏駅法律事務所では,過払い金返還請求を取り扱っております。

過払金と相続

弁護士法人心 柏駅法律事務所の弁護士の白方です。

今年になって数件ほど,被相続人の遺産(相続財産)としての過払金の有無について,その調査の依頼を相続人の方から受けています。

調査といってもとくに難しい手続きが必要というわけではなく,被相続人がキャッシング(借り入れ)を行っていた貸金業者(消費者金融や信販会社)に対して,そのキャッシングについての取引履歴の送付を請求し,届いた取引履歴に記載されている取引内容を利息制限法所定の制限利率で引き直して計算すれば,過払金の金額が判明します。

貸金業者に対して取引履歴の送付を請求する際は,ひとまず請求者が被相続人の相続人であることを証明できれば十分です。もちろん,過払金の存在が判明し,業者に対してその返還を請求する際には,相続分の証明も必要です。

当法人柏駅法律事務所で調査の依頼を受任する場合は,ご相談の際に,戸籍や除籍等の書類で被相続人がお亡くなりになった年月日と,ご相談者の方が被相続人の相続人であることを確認させていただいております。なお,被相続人がキャッシングを行っていた業者との契約書等の書類やカードは不要です(残っていればご相談の際にご用意ください)。

なお,過払金返還請求権は金銭債権ですので,相続の発生により,相続人は法定相続分に応じた金額を当然に分割承継します。そのため,例えば法定相続分が2分の1の相続人は,単独で,業者に対し,遺産である過払金の2分の1の金額を請求することができます。

ただし,相続放棄をしてしまうと,当然ですが相続人として過払金の返還請求を行うことはできません。

相続人の方から被相続人の過払金について調査の依頼をいただく場合,被相続人の約定利率に基づく債務残高を相続人の方が全額返済しているケースが多いですが,相続人において返済が困難だという場合でも,相続放棄を進める前に,念のため,過払金返還請求を専門的に取り扱っている法律事務所に一度ご相談することをお勧めいたします。例えば,約定利率に基づく負債が100万円残っていたとしても,取引期間が相当長期である場合には,制限利率で引き直して計算すると多額の過払になっているというケースも相当数存在します。

当法人では,過払金返還請求を多数取り扱っておりますので,過払金の相続につきましてもお気軽にご相談いただければと思います。

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過払金返還請求について

弁護士法人心柏駅法律事務所の弁護士の白方です。

私が柏市で柏みらい法律事務所を開設したのは2010年6月でしたが,その約4ヶ月弱後に武富士が会社更生法の適用を東京地方裁判所に申請しました。

武富士の会社更生法適用申請により,「過払金返還請求」という手段があることが世間に知れ渡ったわけですが,それ以前はあまり知られていませんでした。

私が柏みらい法律事務所を開設して武富士が会社更生法の適用を申請するまでの4ヶ月弱の期間にも,消費者金融や信販会社への返済に窮しヤミ金にまで手を出してしまった方が債務整理の相談にいらっしゃって,調べたところ,借り入れをしていたすべての消費者金融および信販会社について過払いになっていて,その合計金額も500万円を優に超えていたということがありました。

また,当初個人再生の相談で来られた方が,一部の借り入れについて150万円を超える過払金が生じていることが判明したため,任意整理に変更したというケースもありました。

武富士が会社更生法の適用を申請したというニュースが報道されてからは,債務整理ではなく過払いの相談にいらっしゃる方が増えました。当時は,柏市で過払金返還請求を独立した一つの業務分野としてホームページに記載していた法律事務所は少なかったため,私の事務所では柏市の方を中心に多数の過払金返還請求の依頼を受けていました。

その頃には,消費者金融や信販会社の多くは,訴訟を起こさないとまともな金額を返還してこないようになっていました。そこで,私は,依頼者の方が得られる利益をできるだけ大きくするため,ほぼすべての案件について訴訟を提起して解決していました。

弁護士法人心柏駅法律事務所に移籍した後も,取引の分断など実質的な争点があるケースはもちろんのこと,悪意の受益者など最高裁判例でほぼ解釈が確定した点しか争点がないケースでも,依頼者の方が得られる利益をできるだけ大きくするため、原則として訴訟を提起して解決しています。

わが国は訴訟社会ではないため,ご相談の際に直ちに訴訟を行う旨をご説明すると抵抗感を示す方もいらっしゃいますが,過払金返還請求については,訴訟はあくまで依頼者の方が得られる利益をできるだけ増やすための手段として行っていますので,ご了解いただければと思います。

過払金返還請求権は,最終取引日から10年を経過すると時効で消滅しますので(なお民法改正により消滅時効についても変更される点がありますのでご注意ください),過去に消費者金融や信販会社から借り入れていたという方は,お早めに相談されることをおすすめいたします。

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相続財産管理人の仕事(第2回)

弁護士法人心 柏駅法律事務所の弁護士の白方です。

今回は,相続財産管理人の業務と関連して特別縁故者に対する相続財産の分与について述べたいと思います。

1.民法958条の3は,「前条の場合において,相当と認めるときは,家庭裁判所は,被相続人と生計を同じくしていた者,被相続人の療養看護に努めた者その他被相続人と特別の縁故があった者の請求によって,これらの者に,清算後残存すべき相続財産の全部又は一部を与えることができる。」と規定しています。

本条は特別縁故者に対する相続財産の分与を定めた規定ですが,相続人が存在していないことを前提としていますので,相続人が存在している場合には,たとえ被相続人の療養看護に努めた者であったも,相続財産の分与を請求することはできません(被相続人は,相続人でない者に対する相続財産の分与を希望する場合は,生前に遺言を作成しておく必要があります)。

2.相続人がいないケースで,被相続人と生前の交流はほとんどなかった親戚が,被相続人の死亡後に葬儀などに尽力して多額の出費をし,相続財産を管理して相続財産管理人選任の申立てを行ったという場合(これを「死後の縁故」といいます。),現在の実務では,相続財産の分与は通常認められません。
また,葬儀費用は喪主の債務となりますので,相続財産からの支払を受けることはできません。葬儀費用は被相続人の債務であると誤解している方もいらっしゃいますので,十分注意が必要です。

3.被相続人の療養看護などを行い,特別縁故者と認められるような関係があったとしても,相続財産の分与を求める際には,特別縁故者であったことを証明する資料が必要です。
被相続人と同居し生計を同じくしていたという場合であれば立証も容易な場合が多いと思いますが,同居せずに療養看護に努めていたというようなケースでは,被相続人と一緒に撮った写真や被相続人からの手紙のような客観的証拠がなければ,特別縁故者として認められない場合もあります。

4.特別縁故者への財産分与を請求する申立てがあった場合,相続財産管理人は,その申立てについて,裁判所に対し意見を述べることとなります。また,特別の縁故の有無について,家庭裁判所調査官による調査が行われることもあります。

私が相続財産管理人を担当した案件で,複数人から特別縁故者に対する財産分与の申立てがなされましたが,資料を精査し一部の申立人について特別の縁故を否定する意見書を提出したところ,家庭裁判所調査官による調査が行われました。なお裁判所の結論は私の意見書のとおりとなりました。

相続財産管理人選任の申立てや特別縁故者としての相続財産分与の請求をお考えの方は,当法人までお気軽にご相談ください。

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相続財産管理人の仕事

弁護士法人心 柏駅法律事務所の弁護士の白方です。

今回は,相続財産管理人について述べたいと思います。

 

私は,裁判所から相続財産管理人に選任されたことが過去6回あります(うち1件は現在継続中です)。

相続財産管理人は,相続人のいない被相続人の相続財産を管理し,被相続人に貸金業者などの債権者がいる場合は返済を行い,残った相続財産を国庫へ納付します。

「相続人のいない」場合とは,もともと法定相続人が存在しない場合のほか,法定相続人全員が相続放棄をしたことにより相続人が存在しなくなった場合も含みます。

後者の場合,通常は被相続人の財産について債務超過になっており,見るべき財産がなければそもそも相続財産管理人の選任申立ても行われませんが,例えば3000万円の借金があるものの,1000万円の不動産もある場合は,その不動産を売却して返済してもらうために,債権者が選任の申立てを行うことがあります。

前者の,もともと法定相続人がいない事案のうち,孤独死のケースでは検察官が申し立てを行うのが通常です。

このようなケースの場合,被相続人の自宅の中はゴミなどが散乱していることが多いと思いますので,相続財産管理人は,そのような被相続人の自宅に立ち入って財産の有無を調査する必要があります。

私が担当したケースでは,検察官が申し立てた時点で明らかになっていた財産は預貯金のみでしたが,自宅内の調査の結果,証券会社からの郵便が見つかり,多額の投資信託の存在が判明したことがありました。

ちなみにその案件では,自宅の押し入れの奥から骨壺に入った被相続人の親族の遺骨が見つかりましたので,事務所に持ち帰って保管し,納骨できるお寺を探して納骨しています。

身寄りがいないケースでも,被相続人に成年後見人が選任されている場合は,通常,その成年後見人が相続財産管理人の選任申立てを行います。

成年後見人は,家庭裁判所の監督の下で業務を行い,毎年1回成年被後見人の財産状況について裁判所に報告する必要がありますので,相続財産管理人が成年後見人から相続財産を引き継ぐ際には,被相続人の財産関係はすべて明らかになっているのが通常です。

次回に続きます。

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離婚相談と人生相談

弁護士法人心柏駅法律事務所の弁護士の白方です。

今回は,離婚の相談について,弁護士に相談するのがふさわしい内容かどうかという観点からお話ししたいと思います。

1 弁護士は法律のスペシャリスト
これはあえて説明するまでもないと思いますが,弁護士は法律のスペシャリストです。司法試験では,憲法,民法,刑法,商法,民事訴訟法,刑事訴訟法などの法律について試験が行われます。

離婚との関係では,弁護士は,離婚原因などを定めている民法,家庭裁判所での離婚手続きについて規定している家事事件手続法の知識(判例や実務の知識も含みます)を駆使して相談に対応することになります。

具体的には,離婚そのものについて争いがある(相手方配偶者が離婚を拒否している)場合には,別居期間や別居の原因など夫婦関係が破綻していることを根拠づける事実関係について相談者の方から聞き取りを行い,民法が定めている離婚原因の有無を判断した上で,その後の手続についてご説明することとなります。

相手方配偶者に離婚を求められている方のご相談の場合も,離婚原因の有無について事実関係の聞き取りを行って判断し,その後の調停,裁判等の見通しをご説明することになります。

他方,離婚そのものについては争いはなく,財産関係,例えば財産分与について争いがある場合は,別居の時期や財産の種類などについて相談者の方から聞き取りを行い,財産分与の基準時や財産分与の対象となる財産について判断した上で,その後の対応を検討することとなります。

2 夫婦関係そのものについての相談
このように,弁護士は協議や調停などの離婚の手続きや,財産分与などの離婚条件についてのスペシャリストですが,離婚は,夫婦という人間関係の存在を前提とし,その関係を解消する行為ですので,夫婦関係そのものについての悩み(離婚すべきかどうかということや,夫婦関係をどう修復すべきかということなど)を相談するために,弁護士の「離婚」相談に申し込まれる方もいらっしゃいます。

しかし,弁護士は,離婚のみならず債務整理や交通事故の損害賠償請求など依頼者の方々の「人生に関わる」業務を取り扱っていることは確かですが,依頼者の方の「人生そのもの」についてアドバイスなどをする業務を行っているわけではありません。弁護士資格を得る過程で心理学など人間関係に関わる分野の専門教育を受けているわけでもありません。

もちろん,ベテランの弁護士であれば,夫婦関係そのものについての悩みについても適切な相談対応ができるかもしれませんが,それは,弁護士というスペシャリストであるからではなく,その弁護士の人生経験が豊かだからです。

相談する相手を間違うと状況がより悪化してしまうこともありますので,弁護士に相談したい内容が夫婦関係そのものについてであるという場合は,ご両親やご兄弟,ご友人などあなたの人生そのものについて親身になって考えてくれる方々や,夫婦関係を専門とするカウンセラーにまず相談されることをお勧めいたします。

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個人再生の活用について

弁護士法人心 柏駅法律事務所の弁護士の白方です。

今回は,債務整理の手段である個人再生の活用についてお話ししたいと思います。

1 借入額の増大や収入の減少により返済が少々厳しくなった場合に,手軽に取り得る債務整理の手段として,任意整理と呼ばれる手続があります。

これは,貸金業者やクレジット会社と個別に交渉して,毎月の返済金額を支払い可能な金額に変更してもらう手続きです。あくまで個別交渉ですので,借入等を行っているすべての業者と交渉する必要はなく,例えば所有権留保の合意がある車のローンや(任意整理をすると車を引き揚げられます),残額が少ない貸金業者(残額が少ないと弁護士に費用を払って任意整理を行うメリットがあまりない場合があります)についてはそのまま返済を継続するということもできます。

しかし,任意整理の場合,利息制限法の制限利率で計算し直す必要がある場合を除き,債権額の減額に応じる貸金業者等はほぼ皆無で,将来利息の免除が限度です(将来利息の付加を求める業者もあります)。つまり,任意整理では,例えば債務整理に入った段階で300万円の負債があり毎月8万円ずつ返済していた場合,通常のケースでは,負債総額は300万円のままで,これを例えば毎月5万円ずつ無利息で返済する,という取り決めを行うことになります。なお,返済期間は原則として最長5年としている業者が多いです。

このケースで,毎月5万円であれば余裕で返済できるのであれば何も問題はないですが,5万円でもギリギリであるという場合は,急な出費により返済が困難になり滞ってしまうと,再度債務整理を行わなければならなくなります。

また,任意整理はあくまで業者との個別の交渉になりますので,業者が交渉に応じない場合は,債務整理の目的を達成することはできません(一部の貸金業者は任意整理に応じず一括返済を求めてきます)。
この場合は,債務整理を行うのであれば,自己破産または個人再生を選択せざるを得ません。

2 裁判所の手続で行う個人再生では,例えば負債総額が100万円以上500万円未満で,とくに財産もない場合,100万円を原則3年,最長5年で返済すれば,残額は免責されます(100万円を超える財産がある場合は,その財産の価額に相当する金額を返済することになります)。負債総額が500万円以上1500万円未満の場合は,その5分の1の金額を3年~5年で返済することになります(5分の1の金額を超える財産がある場合は,その財産の価額に相当する金額を返済します)。

負債総額が300万円の場合,任意整理では,返済期間を5年としても毎月5万円の返済が必要ですが,個人再生では返済期間を3年としても毎月の返済額は2万8000円程度になります。

ただし,車のローンや住宅ローンも個人再生の対象となりますので,原則として所有権留保の付いた車は引き揚げられ,抵当権の設定されている住宅は売却されることになります(なお,住宅ローン特則を使うことで住宅を残しながら個人再生を行うことは可能です)。

3 任意整理のご相談では,任意整理を行えば余裕で返済できるという方もいらっしゃいますが,任意整理を行ってもギリギリという方も多いですので,個人再生も積極的に検討していただければと思います。

なお,個人再生は,任意整理よりも時間がかかり,依頼者の方の負担も多く(書類の準備など),弁護士費用も任意整理より通常は割高ですが,負債総額が圧縮され返済の負担が任意整理よりも軽減されることを考えると,そのようなデメリットを超えるメリットは十分にあると思います。

返済にお困りの方は,当法人までお気軽にご相談ください。債務整理のご相談は初回無料です。

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債務整理のご相談の際に準備いただきたいことについて

弁護士法人心柏駅法律事務所の弁護士の白方です。

当事務所では債務整理・過払金請求のご相談を多数お受けしておりますが,今回は任意整理と個人再生のご相談の際に事前に準備していただきたい点を2点ご説明したいと思います。

(1)任意整理のご相談の際に事前に準備していただきたい点

任意整理は,各業者と個別に交渉し,返済総額と返済方法を取り決める債務整理方法です。毎月の返済がきつくなったが,毎月の返済額を減らせば負債全部を返済できる見込みがある場合に使われる手続きです。

返済を継続することが前提ですので,任意整理のご相談の際には,家計表を作成することにより毎月返済にあてられる金額を算出することが重要となります。

家計表を作成する際は,収入に変動がある方の場合は(例えば月々の手取りに占める歩合給や残業代の割合が大きい方など),収入を低めに見積もるとよいでしょう。債務整理のご相談でときどきあるケースに,会社内での異動にともない残業が減少し,残業代が入らなくなったために返済が厳しくなった,というものがあります。

また,近いうちに多額の出費が見込まれている場合は(例えば子どもの大学進学など),その際の出費も考慮して毎月の返済可能額を算出する必要があります。

任意整理のご相談では,ご相談者のみなさまに算出いただいた返済可能額を前提として,任意整理が可能かどうか,可能であればどのような返済条件にするのかを判断しますので,できるだけ正確に毎月の返済可能額を算出していただくことが重要となります。

(2)個人再生のご相談の際に事前に準備していただきたい点

個人再生も法律の規定に従って決められた金額を返済する手続きですので,任意整理と同じように家計表を作成いただくことがまず重要となります。

次に,個人再生のご相談で多いのは住宅を残して債務整理をしたいという内容のものですが,清算価値保障原則との関係で,住宅の査定額から住宅ローンの残額を控除した金額がプラスになる場合(これをアンダーローンといいます),その金額を財産として計上する必要があります。

住宅を購入してから長期間経過している場合や,購入の際に多額の頭金を支払っている場合は,アンダーローンになっているケースがありますので,相談の前に不動産業者の査定書(無料で作成してくれます)を準備いただくとご相談がスムーズに進みます。

 

弁護士法人心柏駅法律事務所では,債務整理のご相談も多数受けておりますので,お気軽にご相談いただければと思います。

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法定相続情報証明制度

弁護士法人心 柏駅法律事務所の弁護士の白方です。

本年(平成29年)5月に法定相続情報証明制度が開始したことはご存じでしょうか。これは,登記所(法務局)に戸除籍謄本等の束を提出し,併せて相続関係を一覧に表した図(法定相続情報一覧図)を提出すれば,登記官がその一覧図に認証文を付した写し(以下「証明書」といいます。)を無料で交付してくれるという制度です。

今回、千葉地方法務局柏支局でこの制度を利用してみましたので、その感想などを述べたいと思います。

※詳細な手続や必要書類等は法務局のウェブサイトをご確認ください。または管轄の法務局にお問い合わせください。

①意外と早かった

制度を利用するためには、戸除籍謄本や住民票等の必要書類を取り寄せ、法定相続情報一覧図を作成し、申出書に必要事項を記載する必要があります。法定相続情報一覧図は法務局のウェブサイトから書式のエクセルデータをダウンロードして作成することが可能で、申出書についても同様です。

法定相続情報一覧図のデータは法定相続人の類型ごとに多数用意されていますので便利です。

書類を法務局の窓口で提出し、しばらく待っていると、再度窓口に呼ばれ、本人確認書類などの提示を求められました。なお、今回は委任を受けた代理人ではなく、成年後見人として(成年被後見人の法定代理人として)申請を行っています。

戸籍類に不備はなかったので、本人確認書類を提示した後に、担当の方に「証明書は明日発行できますが取りに来ますか。それとも郵送にしますか。」と聞かれました。登記の申請が完了するまでにはある程度時間がかかりますので、この証明書の発行にも1週間程度はかかるのだろうと思っていましたので、次の日に発行可能というのは意外でした。

②証明書は何枚もいらなかった

証明書は何枚でも無料ですので、相続手続を行う必要がある金融機関数プラス予備2枚を発行してもらいました。

そして、金融機関の支店に証明書とその他の必要書類を持参して相続手続を行ったところ、六つの金融機関のうち五つで証明書の原本は返却されました(一つのみ原本が必要とのことでした。ちなみにその一つは信用金庫で、返却された五つの金融機関は銀行です)。

このように、金融機関の支店で相続手続を行う場合は、必ずしも金融機関数分の証明書が必要というわけではありませんが(郵送で複数の金融機関に同時期に相続手続の申請を行う場合は、手続を行う金融機関数分の証明書が必要です)、原本を要求する金融機関もありますので、念のため複数枚交付を受けておくことをおすすめします。

弁護士法人心柏駅法律事務所では相続・遺産分割のご相談を随時受け付けておりますので、お気軽にフリーダイヤル(0120-41-2403)までご連絡ください。

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松戸の裁判所

こんにちは。弁護士法人心柏駅法律事務所の弁護士の白方です。今日は松戸の裁判所について書きたいと思います。

 

松戸市,柏市,流山市,我孫子市,野田市,鎌ヶ谷市のいわゆる東葛6市を管轄する裁判所の建物が松戸市にあります。この建物には,千葉地方裁判所松戸支部,千葉家庭裁判所松戸支部,松戸簡易裁判所の3つの裁判所が入っています。ちなみに簡易裁判所は「松戸簡易裁判所」です。「千葉簡易裁判所松戸支部」ではありません(弁護士で間違えていた方がいました)。

 

この松戸の裁判所,住所はご存知ですか?

住所は「松戸市岩瀬無番地」なんです。「無番地」という住所があるということは,私は松戸の裁判所で初めて知りました。

無番地というのは,日本の住所表記のひとつで,土地公簿で地番のついていない土地を指すそうです。

 

松戸の裁判所は,2013年7月から現在の新しい建物が使われていますが,それまでは,現在千葉地方法務局松戸支局や千葉地方検察庁松戸支部が入っている建物(松戸市岩瀬473番地18号 松戸法務総合庁舎)が建っている場所にありました。ちなみに,旧裁判所の住所も松戸市岩瀬無番地です。

旧裁判所の建物は耐震性に問題があり,東日本大震災の際は,検査のため1週間ほど裁判等が行われなかった記憶があります。

 

松戸駅から松戸の裁判所への行き方は分かりますでしょうか?

裁判所のウェブサイトで公開されている地図を見てもよくわからないと思いますが,JR線または新京成線の松戸駅中央改札を出て左に向かい,イトーヨーカドー松戸店の2階から入ってエスカレーターで5階まで上がり,5階にある出口から出て松戸中央公園の中を通っていきます。なお,公園内は土で靴が汚れる場合があるため,私は公園内を通らず聖徳大学方向の舗装路を通って行くことが多いです。

 

では,イトーヨーカドーの閉店時間帯はどこを通って行けばいいでしょうか。さすがにその日の閉店後に裁判所に向かう方はいらっしゃらないと思いますが,開店は10時で,裁判所の期日にも9時50分や10時に開始するものがありますので,イトーヨーカドーの開店前に裁判所に行かなければならないことがあります。

その場合,イトーヨーカドー2階出入口の左側にある階段(登り口に警備員の方がいます)を使って5階まで上がり,エスカレーターで上がったときと同じように5階にある出口から出て松戸中央公園の中を通っていきます。

この階段は,開店と同時に閉鎖されます。つまり,開店前だけ使えます。

 

本日はこれまで。また来月お目にかかりましょう。

 

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弁護士法人心・柏駅法律事務所の弁護士の白方です

2010年から千葉県柏市で弁護士をしている白方です。柏市のほか、松戸市、流山市、野田市、我孫子市、鎌ケ谷市など近隣の市町村の方々からも多数のご相談、ご依頼をいただいており、感謝申し上げます。

このブログでは、法律に関する情報を月1・2回のペースでご提供いたします。マニアックなものもあるかと思いますが、どうぞご期待ください。